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歯について


近年、長生きさせてもらえるわんちゃんが増えたこともあり、歯周病になってしまっているわんちゃんがたくさんいます。

歯周菌が常に口の中にたくさんあるということは、全身の病気にも関係してしまいます。

 

しかし、どんなに大人しいわんちゃんでも、人間のようにじっと口を開けていてはくれませんよね。

口のお手入れをしたいと思ってもなかなかやらせてもらえないこともあると思います。

スケーリング手術のため全身麻酔下で、じっくりとわんちゃんの口の中を見ることができる私達は、大きな虫歯があったり歯周ポケットの大きさにびっくりすることがたくさんあります。

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歯周病について

犬の歯周病原細菌、ポルフィロモナス・グラエという悪玉菌があります。

この悪玉菌は、歯垢が付き始めると、バイオフィルムという菌の増殖場所を歯の表面に作ります。

このバイオフィルムはねばねばしていて、歯の表面にくっついています。

バイオフィルムは、歯ぐきを炎症させ、出血した血液を栄養としてさらに増殖します。

歯と歯ぐきの間に歯周ポケットと言われる溝は、バイオフィルムが歯ぐきを破壊してしまったところです。

歯周ポケットができると、菌はさらに奥へ進み、歯や歯を支えている骨をも破壊することになってしまいます。 RIMG6219

 

右の写真のように、重度に歯石がついており歯周病を起こしている場合は、体調にもよりますが基本的には全身麻酔下のスケーリング処置が必要になります。

歯の裏の歯石もこんなにあるんですよ。

こうなるとやはり全身麻酔下でなければきちんとした処置ができないでしょう。

 

スケーリング処置の前後を比較してみましょう。

スケーリング前                                

ねばねばした唾液のような液体が泡になって付いています。

膿のような濁った液体があります。

茶色い歯石が歯の先端部分を除いて、たくさん着いています。

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スケーリング後

茶色い歯石はすべて取りました。

歯ぐきが炎症して赤く腫れて出血しています。

歯ぐきが溶けてしまい、歯の根っこが見えています。

本来あるはずの場所の歯ぐきが溶けて無くなってしまったのです。

 

 

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歯周ポケットは、深く、奥から歯垢がでてきます。

 

 

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歯石をとった後は、磨きをかけて歯の表面をつるつるにします。

そうすることによって、次に歯石が付きにくいようにするのです。

 

 

 

 

 

近年では、ペットの一生にわたって、歯をきれいに保ち健康を維持するのは、飼い主の役目とされています。

そうは言っても、はみがきなどのお手入れをペットがさせてくれなかったり、人間もやれなかったりと問題はたくさんあります。RIMG6230

それでも、これだけはやってほしいと思うことがあります。

☆たまに、口の中を見てあげてください。

口って、あえて見ようとしないとほんとに見ていないんですよね。

見れない人は、歯の外側だけでもいい、見れる人は、口を開けて歯の内側や口の上側(上あご)を見てください。

話しはそれますが、口の中の腫瘍が発見されるときには、かなり大きくなって、出血したり口の外に腫瘍が見えるようになってから発見されます。

しかし、その時はかなり進行した状態で、体調も最悪です。

人間では、小さな小さな口内炎でも気づくのに、ペットはひどい症状がでるまで飼い主が気づけないのです。

だから、あえて口の中をみてあげてほしいのです。

 

スケーリング処置後、口の中がきれいになって、わんちゃんもきっとご飯がおいしいと思うのです(人間の感覚かもしれませんが)。

もし、今回の写真のような歯になっていたら、獣医師に相談してください。

 

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